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 12月30日、たまたまビジネスホテルに泊まったら朝日新聞が無料サービスになっていて、朝食を摂りながら眺めていたら「リスク社会に生きる」という1〜2面の特集記事に目が止まりました。

 東京都に住む若い親子の話。幼稚園に通う息子に二重のマスクをさせ、晴れていても雨ガッパを着させる。帰宅後はすぐにシャワーを浴びさせ、ペットボトルの水で全身を洗い流すのだそうだ。そんなことをさせる母親と「そんなことはやめろ」という父親。笑ってしまいそうではあるけど、こんな諍いになりそうなことって今の日本にはたくさん転がっていそう。

 「津波てんでんこ」 の精神じゃないけど、リスクに対して自分や家族の命を守る考え方は、多種多様であってもいいとは思う。しかし、世の中は急激に進化していて、リスク自体は収縮して安全になっているのに、どうしてこのタイトルのように「リスク社会」なんていう言い方しなければならないんでしょうね。

 紙面にはリスクについての専門家の見方が一般人とはぜんぜん違うことを、分かりやすい表にして見せていました(写真)。マスコミはあれこれミクロの視点でリスクを煽ってばかりで、なぜこういうマクロの視点を置き去りにするのだろうと嘆かずにはいられないですね。そういう意味では、やっと見られるようになってきたかと嬉しくもあります。

 畜産関係だと、BSEや新型インフルエンザの時だって一時期はパニックになりましたが、今は理解が進み、ほぼ忘れ去られています。今回の放射線については私が見てきた書物によると、どう考えても気にして生活するほどじゃない。そのことが徐々に国民に定着するような年に今年がなればと願わずにはいられません。

 そう願うのは、そうならない可能性が高いからですが‥。