きまじめチキン日記

株式会社十文字チキンカンパニー 代表取締役社長 十文字保雄

カテゴリ:  スピーチ&発表文

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 達増知事から、首都圏エリアとの人の往来に加え、不要不急の外出を避けるようにとお達しが出ています。

 症状のない人、特に丈夫な若い人が広めてしまう危険性があるということで、その趣旨を理解して、仕事場、通院、食料品の買い物以外は我慢して自宅にいるようにしましょう。

 万が一のために免疫力を付けるようにと言われておりますが、我々のつくる国産鶏肉は食料品店で売られていて、免疫力強化に欠かせないものです。安定供給をしっかり守っていきたいものです。

 このコロナショックが明けるまでどれくらい時間がかかるかわかりませんが、そのときには日常の何気ない当たり前のことが更に幸せに感じるようになることでしょう。

 その時を楽しみにして、こういう時間を前向きに使いましょう。読書や家の5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)がオススメです。

(本日の朝礼でのスピーチ/写真は本社の玄関です)

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〆鯒の貴業界(貴社)の状況は(年初の見通しと比べ)どうだったか?

 国内の鶏肉生産は順調に伸びて需給バランスが崩れ鶏肉市況は低迷することが予想されましたが、予想よりは良い水準で推移しました。中国はアフリカ豚コレラの蔓延から、豚肉不足に陥り、鶏肉も異常な高値で取引されているようで、世界的にも肉全般の輸出入は引き締まって推移しています。

■横娃横闇の貴業界の見通しをどう見るか?

 国内産地の増産意欲は高く、鶏舎建設は順調に進むものと思われます。しかし解体工場では若手人材確保の観点から潮流から年間稼働日数は減る方向です。人手不足を埋めるために高卒者の採用を増やしたいところですが、それで埋めきれない場合、外国人実習生を増やす傾向が続くと思われます。

5業界の重要課題は何か?

 どの業界もそうでしょうが、長い目で見ると地元の労働人口の減少が一番の問題です。更に高卒者の専門学校などへの進学も増える中でいかに当業界への注目度を上げていくか。

ぃ横娃横闇の県内経済・社会等への関心事は何か?

 都会への憧れは若い世代にとっては普遍的なものでしょうが、必ずしも都会に出れば幸せに成れるというのでもないようです。高校を終わると、女性が都会に出る比率が高く、町村には男性が多く残り、どちらも男女の比率が崩れてしまっていることから出合いが限られ、外国人と結婚する地元の男性が増える反面、都会に出た女性はあぶれてしまっているという矛盾を解決したいものです。女性を地元に残し男女の出会いを増やすことで幸福度は上がりますし、人口減少の歯止めにも成ると思いますし、地元の産業も存続できるような方向になっていって欲しいものです。

(記事側のミスを一部修正しました)

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 10万トンの巨大コンテナ船に40日間同乗するというテレビ東京の番組を録画で見ました。

 時速35kmで航行して、シンガポールなど所々の港に停まって日本の製品を降ろし、2000km先のヨーロッパまで行くのだそうです。

 1日の重油の燃料費は500万円。スエズ運河を通る通行料は約4000万円。ソマリア近辺では海賊の襲撃に備える緊張した場面がありました。相手は鉄砲を持っているのに対して、こちらは放水で対抗するしか無い。

 無事すべての荷物を降ろした船長のホッとした表情が印象的でした。

 さて、当社の年間の7品目セットの重量が偶然ですが約10万トンです。しかし当社の商品1年分は一度に見れません。仕掛品は180もの農場に分散してあります。商品は毎日一定の量を少しずつ出していく。巨大さを実感しにくい産業かもしれません。

 船の乗組員の団結した仕事ぶりに感心しましたが、当社も同じ。チームワークで今年も十文字丸としていい仕事をしていきましょう。

(1月4日本社朝礼のスピーチ/写真は本日の本社玄関)

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 一昨年、プライフーズ蠅気鵑箸離献腑ぅ鵐肇戰鵐船磧爾任△覘蝪丕米鷂優奸璽困発足した際の反響は予想外に大きいものであった。

 近くに存在するライバルと手を組んで一つの工場で2つの会社の商品を作るとは驚いた。新たな時代の幕開けではないか。周囲に凄い影響を与えるはず。さらに両社はそれ以上のことをするのか?などといった言葉が聞かれた。

 当社としては純粋に農場と工場の羽数のアンバランスから来る損失を埋めるべく画策した案であり、先方もメリットが有ることなので、比較的スムーズに実現に至ったということだろう。

 以降、企業文化の違いを肌で感じながらも、おかげさまで稼働はこれまで順調に来ており、いい経験をさせていただいていると当社の役職員も喜んでいる。

 さて、そこで今回はライバル会社という観点で依頼された原稿のマス目を埋めてみようと思うが、入社から33年、見方が大きく変わって拡がってきた。その順に述べていく。

 初めの思いは、もちろん競う相手としてのライバルである。分かりやすい農場の成績、加工工場の処理コスト、鶏糞処理コスト、歩留まり、そして収支。この業界は世界共通の非常に洗練された指標が整っており、それを比較していくだけでその企業の通信簿の点数が付けられるわけで、数学が得意で、競うことが好きな人にはとても向いている産業であると思う。

 当社の創業者はまさしくそのタイプであり、また当時は市場の要請が増産という状況だったゆえ、水を得た魚のように飛び回り、今の当社の礎を築いたのではないか。

 そして、ライバルの指標が自社の上を行くと懸命に追いつこうとすることで活力が生まれ、社内一致団結して、最終的には企業の存続をより強固なものにしたはずだ。ライバルさまさまである。

 次に比較サンプルとしてのライバルである。パナソニックの創業者、松下幸之助のは「うちは品川にソニーという研究所がある」と常々言っていて、「マネシタ」と言われるのを意に介さずに、後追いで同様の商品を作って売ることをやっていたという。

 その話を初めて聞いたときソニー贔屓の私は少々憤慨したわけだが、今なら強者の方程式としてとても判る。

 チキン業界新参者から「この業界は同業者間でとても仲がいいですね」と言われることがあるが、まさしくライバル企業は自社の研究所という意識が浸透しているからであろう。

 この業界は世界共通のプロバイダーの機械や技術で成り立っており、その選択や使いこなしで他社との差がつくわけで、情報に疎ければ、それだけで置いてきぼりになりかねないのである。

 それに、販売でライバルと競うことがほとんどないということもあって、同胞意識が強くなっているのではないか。加えて今は良好な市況もあるだろう。

 3番目には、相性が悪い相手先を受けてくれる会社としてのライバル。極論になるが、競争の結果、ライバルが誰もいなくなり独占状態になったら、それはそれで困ったことになる。嫌なお客様にも売らなければならないからだ。逆に選んだお客様にはより強い愛情を注ぐことができる。

 4番目には、PJ二戸フーズのような、凹凸を埋める先としてのライバルである。インテグレーションという形態を取る業界なので、比較的その芽は生まれやすいはず。

 しかし、ライバルをも利するくらいなら関わらないほうがマシと思うか、収支の改善になるなら、ライバルに頭を下げてでも実現しようと思うか、紙一重の決断となる。

 5番目に、将来の業界再編の駒としてのライバルであり、自社という意識である。市場環境の変化が激しい時代にあって、今は競っているがこの先将来同じ船になるかも知れないという複雑な思い。これはどの業界でも今の時代は標準になっている心境ではないか。

 最後に、業界自体の経営環境の変化を受ける、共に戦う同胞としてのライバル。かくも世の中は複雑なんだと思いながら筆を置こうか。

(鶏鳴新聞2019年新年特大号へ寄稿)

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 あけましておめでとうございます。穏やかな年末年始の気候でしたので、皆さんリフレッシュできたのではないかと思います。

 さて、私は会社の代表ですので、年末いろいろなところで感謝の言葉をいただきました。

 お客様からは「増やしていただいてありがとう」です。もしかすると念願だったような言われ方をしたのかもしれません。

 工場に行きますと「ボーナスたくさんありがとう」です。嘱託の方からは「こんな日が来るとは思わなかった」と言われました。

 久慈工場稼働前は1500人でしたが、今は1600人。新しい人が増え「こんなすごい会社だとは思わなかった」とも言われました。

 食べていただくお客様の声はなかなか聞こえてこないわけですが、クリスマスには国産の骨付きレッグが食べられ、正月には雑煮用が普通に買えるのも我々の仕事があったからこそです。そのことは我々も一般消費者でもありますから、わかりますよね。

 健助会長が卵の栄養価に着目して始めた当社ですが、いまは同じ狙いでそれ以上に栄養価のある鶏肉を扱って、沢山の人に感謝される仕事をしているのが今の我々といえます。

 思えば、私の入社した30年ほど前に比べると、農場も工場も従業員一人あたりの羽数はほぼ倍になっているかと思います。

 育種改良や機械メーカーさんたちの力もありますが、我々の弛まぬ工夫改善の努力の賜物といっていいでしょう。

 今年も皆さんの「もっと良くしよう」という真っ直ぐな気持ちだけが頼りです。周囲の人達をハッピーにできるよう、頑張っていきましょう。

(年頭の朝礼での社長スピーチ)

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(岩手日報2019年1月1日/上段はストレス解消法)


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 今年、大谷翔平選手がメジャーで大活躍して、ショウタイムという言葉が流行しました。

 それとは全く関係ありませんが、ショータイムという言葉に関してちょっとした文章があって、いいなと思いました。

 それは「仕事中は常にショータイム」という言葉です。

 人に見られてたら、それは当然見せているということです。見られていなくても、稲盛塾長は「神様が気の毒と思うくらいの仕事をすれば、神様は黙っていない」と言います。

 神様論を外しても、何を隠そう、自分が見ているのです。自分を偽ってしまえば、自分の心が傷つき、それが習慣化して、人が見ている場にも現れて、卑屈さが伝わってしまうのではないでしょうか。

 自分に誇りを持って気持ちいい人生を送りたいなら、見られてなくても常にショータイムの気持ちでいきましょう。

(本日の朝礼スピーチ/写真は10月22日、実習生弘前ツアーのバスの車中で)

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 株式会社みちのくジャパンさん、40周年誠におめでとうございます。

 傘下のほっかほっか亭さんや居酒屋鬼剣舞さんで、当社の菜彩鶏をお使いいただいてもう23年お世話になっております、株式会社十文字チキンカンパニーの社長です。

 中食や外食市場では、輸入チキンでコストを抑えるのがスタンダードになっている状況の中で、当社と取引が始まる前から岩手県産の、しかもコストが高くなる銘柄鶏を扱っていただいているのは、小原社長の、地元愛もあるのでしょうけども、美味しいものでお客様に喜んでもらいたい、との一心と敬意を表したいと思います。

 みちのくジャパンさんと取引が始まりましたのは、私の父が社長当時、輸入車好きが高じてブルグジャパンさんを訪問したのがきっかけと聞いております。

 両社長が意気投合し、その後はただの取引というのではなく、車好きの創業経営者と2代目というお互いペアでのお付き合いをさせていただいております。

 中でも、10年程前、現在の日産GT−Rが発売された当時大ブームとなり、父が欲しがったところ、新車の納車は1年以上かかるということになり、それではと小原社長が全国から新古車を探し回って確保していただき、小原社長直々に二戸の当社の本社にブラックのGT−Rで納車に来て、社員が総出で拍手で迎えたのは良き思い出になっています。

 私はときどき表敬訪問で北上を訪れることがあるのですが、いつも小原社長の切れ味鋭い視点と判断に大いに刺激をいただいて帰途につくのがいつものパターンです。

 また、最近出た月刊の「岩手経済研究」には小原社長が寄稿しており「人生にロマンを持ち続ける」と書かれておりました。損得勘定に汲々としている経営者であってはいかんな、とはっとさせられました。

 おそらく、小原社長はカリスマといいますか、意識しているかわかりませんが、自然と周囲を元気にさせるという力をお持ちなんだと思います。引続き、私のような地元岩手の経営者を元気にしていただけるようお願いしたいと思います。

 さて、私は、小原社長とご子息の憲専務のちょうどあいだの年になります。経営のバトンタッチを経験したものとして、いくばくかその経験が役に立てればと思っております。

 この後、私の出番がある関係で、昨日のリハーサルを拝見させていただきました。役職員、関係者の皆さんが今日のために大変な準備をされたと思いますが、とても楽しんでいるように見えました。せっかくですので私も今日は楽しんで過ごさせていただきます。

 本日は誠におめでとうございました。

(写真:みちのくジャパンさんオリジナルのダンス曲を踊る従業員の皆さんと小原憲専務)

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 桜の満開と重なるいい気候のもと、今年も鶏霊祭を滞りなく終えることが出来ました。ありがとうございました。

 ちょっと調べたら、当社が創業した昭和35年の肉の1人当たり消費量は3キロだったそうですが、平成28年には31キロになっているそうです。10倍以上です。

 日本人の動物性蛋白質の摂取増加に当社も貢献してきた歴史だったと言えるでしょう。

 さて、我々はとかく、こういう量や平均といった数字だけで理解してしまいます。しかし、今回の菜彩鶏キャンペーンに届いた応募ハガキを見て、消費の現場のひとりひとりの強い思いを忘れてはならないなと思いました。

 子供のために、旦那さまのために、高齢な親のために、鶏肉が大好きだと言ってくれている家族のために、我々のチキンは喜ばれて使っていただいているのです。

 そういう消費者様ひとりひとりの思いをイメージして仕事をしていきましょう。

(本日の本社鶏霊祭でのスピーチ/写真中央は会長婦人)

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 宿命とは、生まれながらに持っているもので変えられないものだそうです。私であれば、チキンの事業を営む家の長男に生まれると言ったことです。

 それに対して運命とは、生きているうちのことで、努力すれば変えられるものだそうです。

 私たちはとかく運命とは変えられないものと思っていますが、川の流れのようなものはあっても、努力すれば避けたり修正できたりするとイメージしていただければと思います。

 稲盛塾長は中国の袁了凡にまつわるエピソードを紹介しています。

 ある高名な占い師がやってきて、少年だった袁了凡に「あなたは何番の成績で通過して役人になり、地方長官に任命され、結婚はするが子供は出来ず、53歳で死ぬ」と言ったら、あれよあれよとその通りに進みます。

 その後地方長官になるまでその通りに進み、ある日禅寺で3日間座禅を組み、「若いのに素晴らしい」と褒められ「運命の通りにしか行かないので悩むことはない」と答えたら「大馬鹿者!」と叱られます。

 「運命は変えられる。善きことをしなさい」と言われて心を変えたら、子供が生まれ、70歳を過ぎて生きたとのことです。

 諦めたら変わりません。何とかしようとする気持ちを失ってませんか? そのことを年始に確認していただければと思います。

(本日の朝礼スピーチ)

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(岩手日報2018年1月1日号より)

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 皆さまには遠路お出で頂き、弊社久慈工場増設竣工式に参列頂きましたこと、誠にありがとうございました。また、工事関係者の皆様には、スケジュール通りに建設を進めていただき、立派な工場ができ、明日より稼働の運びとなりましたことに感謝申し上げます。

 当事業は、国の東日本大震災による沿岸被災地域の雇用を推進するための国庫補助であります「津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助事業」を受けて建設されました。

 思い起こせば6年半前の東日本大震災。その日以降約1ヶ月、当社では飼育農場への飼料供給が滞り、売上の1ヶ月分となる360万羽の鶏が犠牲となりました。

 しかし、平均体重が減少していく中、ギリギリまで買い取っていただくことで、荷受さん、流通の皆さま、消費者の皆様に支えられ、想定より早く復活でき、また従前どおり受け入れて頂いたこと。いまでも思い起こすたびに感謝の念で一杯になります。ありがとうございます。

 また、速やかに国庫事業として「被災家畜円滑化処理促進事業」が制定され、埋却・償却の費用を支援いただきました。それに岩手県からは食鳥検査料の1年間減免措置等をいただいております。本当にありがとうございました。

 鶏肉市況については翌年反動で輸入品が溢れ、相場の谷ができましたが、その後概ね順調に推移しました。そこにFIT法(再生可能エネルギー固定価格買取制度)が成立しましたことから、それまでの採算性の懸念が払拭され、長年検討を重ねておりましたバイオマス発電所の建設を決断。

 昨年11月から本稼働となり、今では4850kwの電力の全てを、お肉でも大変お世話になっておりますパルシステム様に供給させていただいております。

 さて、今般の補助事業による久慈工場増設については、久慈市役所さんからご提案いただきました。

当社では想定外のことでしたが、地元の雇用に貢献できるその補助事業の仕組に共感して、今年で築39年となる久慈工場のリニューアルの前倒しを決断させていただきました。

 今回の増設で当工場は、国内では2工場目の2ライン工場となり、12月には業界トップクラスとなる1日あたり加工羽数92000羽となります。

 工場の既存部分は39年の間に3度の増設を行い、その結果2階建ての複雑な構造になっており、非効率的な面がありましたが、このたび一新して最新の機械を導入し、2ラインながらシンプルな分かりやすい流れの工場にできたかなと思っております。

 ただ、機械より人がやったほうが高品質で効率的という仕事も依然としてあり、引き続き地元から沢山の人を採用していけるものと信じております。

 地元の皆さまには、当工場の増設を大変歓迎いただき、補助事業のボーダーラインである新規雇用86名は1年ほどで達成し、社内目標の130名にはあと一息という状況になりました。

 しかし、人口が減少し、それ以上に労働人口が減少しているのは、日本全国地方の大きな課題となっていて、久慈市や周辺市町村も例外ではありません。せっかくの最新鋭の工場も、人が十分いなければ動かないのであります。

 ですから、地場資本の、雇用受け入れの一つの軸となる会社として、地元に労働人口が十分残っていけるよう、魅力的な職場づくりは欠かせないと思っております。各方面からのご指導のほどよろしくお願いします。

 最後になりますが、当社は健助会長が人を雇用して採卵用鶏を始めて、今年で丸57年となります。

 最近、健助会長は、中学校を卒業して直ぐに鶏を飼い始めたから、実は67年だと言いますので、100周年は33年後に開催してくれと私から遺言を残そうかと思っております。33年後、私には微妙な年ですが‥。

 今宵は、1991年の30周年‥実は31年目でしたが、2006年の健助会長の旭日双光章授章以来のお肉のお客様が漏れなく集まってのパーティーともなります。長年のご愛顧ありがとうございます。新工場になりましても、引き続きよろしくおねがいします。

 また、工事に関係者した皆さま、協力頂いた地主さん始め久慈市の各方面の皆さま。岩手県庁、久慈市役所、各方面の議員の皆さま。さらに金融面でお世話になっている農林中金様。本当に感謝の一言でございます。

 本日はごゆっくりご歓談頂けますよう願って、施主の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

(10月3日の挨拶に向けて用意した原稿)

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 本日はお忙しい中、弊社バイオマス発電所の安全祈願祭にご臨席賜り誠にありがとうございます。

 おかげさまで、地元晴山稲荷神社、古舘宮司様のお導きにより、安全祈願を滞り無く済ませることが出来ましたこと、心より御礼申し上げます。

 当社は「人の健康、動物の健康、環境の健康、この3つの最高のバランスを目指します」という企業メッセージを掲げ、地元岩手県北を中心に若鶏肉生産の事業を展開しております。

 現在年間5000万羽を生産し、法人別では業界3位、国内生産のシェアは7%となっています。

 同時に年間約15万トンの鶏糞が発生しており、現在では発酵肥料と炭化肥料を生産し、最終的には東日本全域の農家さんに安価に提供になり、農業分野への貢献をしてきたと自負しております。

 しかしながら国内は畜糞の供給過多という状況と認識しており、鶏糞の有効利用を模索してきました。

 10年ほど前に南九州で鶏糞発電が始まり、当社でも健助会長を中心に研究してきましたが、時期尚早ということで見送っておりました。

 その後、東日本大震災のあと出来ました新エネルギー買取法の施行により当社は、一企業単独では最大規模になる発電所立ち上げを決断しました。

 これは、1日400トン、年間12万6千トンの鶏糞を燃料に、6,250KWを発電し、4,800KWを売電するという計画です。

 家庭向けで言えば11,000世帯分の電力であり、軽米町に近隣の洋野町・九戸村を足した3町村分に相当します。

 昨今、原子力発電の是非の議論から新エネルギーの重要性が増してきているのはご承知のとおりですが、ブロイラー鶏糞は飼料カロリーの70%が残っているのと、おが屑が混ざっていることで、絶好の燃焼素材であります。しかも太陽光や風力と違って定時定量の発電が可能です。

 また、ブロイラー農場が当社でも22ヶ所あり中心地である軽米町に建設できることで移動も最小限となり環境にも優しく、新たな地域循環型エネルギーとして地元の誇りとなり得るのではと存じております。

 また資源リサイクルの観点からも、国内の畜糞過剰の軽減につながり、良いことづく目ではないかと存じております。

 その実現にご協力いただきました地権者様、近隣にお住まいの晴山地区の皆様、山本町長を始めとする軽米町役場さん、岩手県、国、金融機関、東北電力様、鈴木俊一さまを始めとする国会議員、県会議員、各位のご理解・ご協力無くてはここまで辿りつけなかったものであり、誠に感謝申し上げます。

 これから本格的に工事が始まりますと、多くの業者様の工事車両などの出入りが多くなり、目障りになろうと思いますが、何卒ご容赦の程よろしくお願いします。

 設計の二戸設計様、プラント工事の倉敷紡績様、建設工事のタカヤ様、電気工事のユアテック様には私共は絶大な信頼を寄せております。

 再来年、平成28年4月の完成に向け、各社様には地元の皆様の周辺環境を配慮の上、安全第一でお進め頂ますようお願い申し上げます。

 この事業は当社にとって過去最大の投資であり、これまで行ってきた事業とは全く異なる分野の事業でもあります。

 しかし、この岩手県北をブロイラー産業国内最大の供給基地と育て上げるための、大きなステップになりうる事業と位置付けております。

 引き続き雇用を中心に地元に貢献しながら、地元とともに当社も歩んでいけたらと思っております。

 皆様の引き続きのご支援とご協力をお願い申し上げ、安全祈願祭直会の挨拶とさせていただきます。

 本日はご参集いただき誠にありがとうございました。


(昨日、無事終了しました。報道記事等へのリンク→岩手日報デーリー東北IBC岩手放送
 

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 最後の会長あいさつに当たり、これからのチキン産業を考えてみました。

 まず日本の人口についてです。2008年がピークで1億2808万人。今年2014年5月で1億2710万人。少しの違いのように感じますが、6年間で、昨日私がおじゃました香川県99万人に匹敵する人口が無くなったということです。

 34年後の2048年には1億人を割り込む見込み。ちょうど新鶏舎を建てると35年ほどの耐用年数なので業界人には考えやすいですよね。

 私が生きていれば85歳。ここにいらっしゃる方々の大半は生きてても生きてなくても退任して気楽なのかもしれませんが。

 1人あたりの国産チキンの消費量が同じで平均体重も同じ、輸入比率も同じだとすると、現在の6.5億羽は5.1億羽でいい計算になります。

 では誰が減らすのかという話になりますが、鶏舎の老朽化が進み、公害問題の目がきびしくなっている昨今、調度よい頃合いの自然減が可能かもしれません。

 問題は工場です。増田寛也前総務大臣を始めとする民間団体が先ごろ発表したように、人口の東京一極集中が進み、地方には若い女性は残らない状態が加速します。ということは、女性中心の工場を運営する当業界は厳しくなるはずです。

 実際私が住む岩手県北は目に見えて人口が減少中ですし、若い人は仕事と刺激を求めて仙台か東京に行きます。

 500人もの工場を2つ持つ当社としては、このままではこの先それぞれが3万人ほどの町でこれだけの人が確保できるか甚だ心配です。

 しかし、考えようによっては今女性の大量雇用ができているチキン工場は、東京に流れ出る地元の人口の流出を食い止めることができる産業とも言えます。

 敬遠される3Kの職場の一つに当業界も数えられるかもしれないが、まだまだ社外にその魅力は伝わりきれていないのではないでしょうか。

 人口減で寂しくなる方向の日本社会です。数百人が集まるコミュニティ、魅力ある職場として発信することができれば、地方の人口維持にも貢献できるのではないでしょうか。

 今朝、当社で仕事上の縁ができた倉敷の倉紡記念館を訪問しましたが、紡績工場の中卒の女工さんたちにはレクリエーションとして会社がお茶やお花、ダンスなどを用意していたそうです。家族の雰囲気で仕事をしていたのでしょう。昔も今もそういう職場環境が必要なのかなと思いました。

 人口減、高齢化、東京一極集中化の流れには逆らえないとは思いますが、動物性蛋白の中では将来性のある位置にいるチキン産業でもあるから、地方を支えるハブとして辛抱していけるのではないかと思っております。

 さて、短期的な話も少しします。食品の機能性表示が来年度解禁になります。

 「鶏むね肉は疲労回復に効果がある」「鶏レバーは貧血に良い」などの表示が可能になるというわけです。このことでむね肉の消費は更に増える可能性があります。当業界にとっては大いに期待できる環境変化であり、次に控える惣菜・外食の原産地表示の義務化に繋げたいものです。

 最後になりますが、皆様に支えられ、会長として2期4年間を全うすることが出来ました。ありがとうございました。


(写真:岡山市内のホテルの部屋からの眺め)
 

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 日本チャンキー協会技術ゼミナール開催にあたり、全国各地からここ新潟までお集まりいただきありがとうございます。

 いま全国各地から、と言いましたが、熊本県での鳥インフル発生で、九州の参加予定者から多数の欠席の連絡を頂いております。

 発生直後からこの技術セミナールを予定通り開催すべきか、否か検討を重ねましたが予定通り開催することにさせていただきました。理事の皆さんには事務局を通して様々なご意見を頂戴いたし感謝申し上げます。

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 さて、今回は官公庁の対応が素早く淡々と進めることができていること、ほんとうに有難いと思いますし、それに伴い各県の点検なども実施され、業界として関係各位に感謝申し上げなければならないと思います。

 平成16年に、79年ぶりに国内で鳥インフルエンザの発生があった時より、全国各地で幾度もの発生の実例を重ね、各地で予行演習までやっていただいている成果と言えましょう。

 それにしても、今年は韓国や中国での発生がありながらも、日本国内での発生がない素晴らしい年、と今年は言えるかと思っておりましたら、最後の最後に発生してしまいました。業界関係者は一様に惜しい思いでいることと思います。

 それでもこのシーズン、これ以上の発生がないとすれば、今の日本国内の防疫対策は「あと一息」というところまで来ていると言えるのではないでしょうか。

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 しかし、昨日の報道では、発生農場では専用の作業着と長靴への交換を行い、消石灰の散布は常に白い状況を維持していたとのことですが、5棟ある鶏舎のうち、被害が集中していた鶏舎では、側壁の上部に張ってあった金網が複数箇所、破れていたほか、金網の上から張られていたネットもたるんで隙間ができていた。壁の下部にはネズミ程度の大きさの小動物が通れるほどの隙間も複数見つかった。とのことでした。

 また、農場の経営者は鶏舎内でネズミを見かけることがあったと説明しているとのことです。

 このことが発生の原因だとしたら、やはり防疫対策を徹底してやるしか鳥インフルエンザを防ぐ道はないという、また改めてその原点を確認したということになろうかと思います。

 さて、当業界はこの日本経済の中で、せいぜい5000億円の産業であり、安価な動物性タンパク質供給が務めであり、古い設備を騙し騙し使っていかなければならない側面はありますが、だからこそその古い設備を丁寧に、愛情を持って、正しい知識を蓄えて、メンテナンスをしながら緻密に使っていくことが求められていると思います。

 そういう意味では、以前のただ単に農家さんの自主性に任せる段階から、インテが強力に指導を推進していく段階を経て、家畜保健衛生所を中心として会社を超えて地域で取り組んでいく段階まで到達したと思いますが、さらにもう一段階上のステージに上がらなければならないと感じます。

 それは私が何度も申し上げてきましたように、農場管理者は、医師や看護師、調理師、理容、美容のように国家資格としてステータスを上げ、定期的に最新情報を得ることを義務化して、国民の信頼に答える時期ではないかと改めて思った次第です。

 それとともに、当業界の経営者としてより設備のアップデートを図るとともに、独立農家さんにもさらに十分な収入が得られ、再投資が可能になるように更に高い利益追求をしていかなくては、と思いました。

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 さて、今日明日と充実したプログラムを準備して頂いております。

 今回欠席された方々にもこの内容が十分届きますよう、マスコミの皆さまには私のこのスピーチの報道は割愛して技術関係のプログラムの内容を十分報道していただきますよう今回は特にお願いしまして、私からの挨拶とさせていただきます。

 2日間、どうぞよろしくおねがいします。

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 新年あけましておめでとうございます。

 短いですが年末年始の休暇でリフレッシュされたでしょうし、家族の絆が深まり、また自分の人生を振り返るいい時間を過ごされたのではないでしょうか。

 昨年末の繁忙期は天候の影響もあって生体重が落ちて、生産部の皆さんは冷や汗の出る日々を過ごし、工場では残業で新年の分の羽数を消化して間に合わせることが出来ました。また、年末特有の加工も順調に消化できました。感謝申し上げます。

 そんな中、マルハニチロさんの子会社アクリフーズさん製造の冷凍食品に農薬混入という出来事がありその対処が問われています。その対応の裏には「この不祥事をウマく切り抜けよう」という欲があって、傷口を深くしてしまったように思います。

 仕事はやはり、小手先でウマくやろうと思ってはダメです。真正面からど真剣に立ち向かわなければならないなと思いました。

 言い換えると「馬鹿になる」ということではないでしょうか。当社は一人ひとりが目の前の仕事に馬鹿になって取り組める集団でありたいと思っています。

 馬だけじゃダメで、鹿もいなければならないのです!?

 さて、新年にふさわしい特別な締めを考えましたので、元応援団長のO次長、お願いします。

 ファイト、ファイト、自分!

 いいぞ、いいぞ、同僚!

 元気、元気、地元!

 ハッピー、ハッピー、ニッポン!!

 今年も楽しく仕事をしましょう! オー!!

(本日の本社の朝礼にて私のスピーチ)

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 みなさん、どんな商品でも日本製が一番品質がいいと思ってますよね。その日本に外国人が来ると、まず驚くのが街が綺麗だということのようです。

 先日、ラジオだったかでこんな話を聞いてなるほどと思いました。

 生物といえば、動物と植物の2種類というのが世界の常識なわけですが、日本だけは神道の影響で「物にも魂がある」と考える。

 そういえばそうです。クルマでもパソコンでもテレビでも、工場の機械でも、果ては包丁でも生きているものとして扱うのが日本です。

 生きているから、キレイにしてあげるわけです。キレイにしてあげるとそのモノが気持ちよく働く。すると良い商品が出来る。人を怪我させることも無くなるでしょう。

 みなさんも明日から仕事をする前に、「包丁のホウちゃん、今日もよろしくお願いします」と言ってから仕事をすると、結果は全然違ったものになるのではないでしょうか。

(今年の3工場の鶏霊祭が終わった後のスピーチ/写真:インドネシアにて)
 

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 この度は日本チャンキー協会総会のご案内を申し上げました所、沢山の会員の皆様に参集頂きまして誠にありがとうございます。

 ここ1年、当業界は年末年始の市況の盛り上がりを除き、大変厳しい環境にありました。4月からの新年度を迎えるにあたり、輸入チキンの在庫過剰は収まりつつありますが、円安による飼料等の値上がり、輸入牛肉の規制緩和、タイからの生鮮鶏肉の輸入再開の兆候、それにアベノミクスによる景気回復での高価格食材への回帰、と我々にとっての悪材料が待ち構えているように思えます。

 このままでは2年連続の厳しい経営環境になることが予想されており、より踏み込んだ変化への対応が求められていると認識しております。それは企業内の経営努力に留まらず、国内チキン業界全体の生き残りのことでもあります。

 一つ間違えば、ブラジルやアメリカの例のように巨大企業でもおかしくなる可能性があります。海外のようにイチかバチかのM&Aではなく、社会の役割分担としてのあり方として、着実で合理的な進化が日本のチキン産業に求められている気がしてなりません。

 では、国産チキンとしてのマーケティングについてはどうでしょうか。現在の消費者は、いま我々が期待するような状態にあると言っていいのではないかと私は思っています。

 輸入チキンと国産チキンがあって、価格差はそれなりにある。でも大半の方が国産を選ぶ。ありがたい状態だと思います。

 しかし、それはスーパーマーケット等小売の現場だけのことで、外食、中食市場では表示の義務がないので、消費者は意識せずに輸入品を選択してしまっています。

 原産地を表示すべしというそもそもの趣旨からすると、明らかにおかしい状態です。

 私に言わせると、コンビニの店頭で原産国名を書かなくてもいいから、タイ産だったらタイ語で唐揚げと書いて欲しいし、ブラジル産だったらポルトガル語で書いてほしい。「唐揚げ」と漢字を使えるのは国産だけにしてほしいくらいです。ちなみに中国語ではもちろん、唐揚げは唐揚げではありません。

 すみません。市況が厳しからか、愚痴みたいになってしまいました。

 さて、昨年会員の有志で出かけて見てきましたイギリスのチキン産業は、アメリカやブラジルの桁の違う規模と違って非常に参考になると思うのですが、自国産の価値を上げるために、EUの厳しい基準に更に付加価値を付けた飼育基準を設け、英国内インテ共通のブランドマークをアピールしておりました。

 こういう手法が日本の消費者にまさしく響く国産チキンの価値を上げる手法だとは思うのですが、それ以前に外食、中食市場での表示の問題を何とかしなければ、結局空回りになると思います。なにせ国内のテーブルミート比率は30%でしかないのですから。

 零細業者まで守るべきルールをすぐ作り、実行せよとは言いませんが、大手の外食、中食業者さんにはルールを適用して、それがあるべき姿だと徐々に消費者に認知してもらえれば、広がっていくのではないでしょうか。

 さて、昨年4月の技術部会の私の挨拶で、農場長に5年ごとに更新される国家資格をと提唱しましたところ、賛同の意見がたくさん聞かれるようになって来ました。

 私の地元の岩手県では、県庁が鳥インフルエンザ防疫対策に懸命に取り組んでいただいており、その中で、農場の方を集めて講習を実施し、終わったら修了証を発行するということをやることになりました。

 私の思う国家資格に近くなってきたと思います。それをもっと踏み込んで、講習と試験を組み合わせ、国家資格とすればいいのだと思います。自動車運転免許のように5年毎更新でいいでしょう。

 チキン業界だけ先にというのは考えにくいとは思いますが、鳥インフルエンザだ、口蹄疫だ、BSEだと昨今、畜産の病気に関する話題がここ10年異常に多くなり、食の安全に対する関心が高まっているだけに、国内の畜産業界が積極的に上のレベルを目指して取り組めば、ますます国産に対する信頼性が増していくことでしょう。

 実際これが実施されれば、畜産業のレベルが高くなります。そして社会的な地位が高まることで、業界全体でも採用面でも改善されるのではないでしょうか。

 現代の畜産に従事する仕事をしている方は、飼育羽数、飼育頭数から考え、病気が発生した時の社会的な影響を考えると、人間で言えば医者とは言いませんが、少なくとも看護士さん以上の知識・技能が必要になっています。

 ドイツのマイスター制度ではないですが、日本は国家資格の種類に溢れる位になればいいと思うし、いずれ我々は高水準の頭脳でよりいい仕事を実践して、国際社会で生き延びるしかありません。

 さて、今日は講演の演者として、株式会社グッドテーブルの山本謙治さんをお招きしました。

 地域の伝統の食から、本業である現代の農産物流通の世界まで幅広く詳しい方です。特に岩手や宮崎など辺境の地域に詳しくもありながら、チキン業界にはさほど、お詳しくないようです。

 ですから今回はちょうどいいスタンスでの話が聞けると私も楽しみにしております。本日はどうぞよろしくお願いします。


(写真:総会後の懇親会)
 


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 1年前とは世の中大きく変わっていますが、アベノミクスで皆さんの生活は変わりましたでしょうか?

 株で儲かっている人もいるのかもしれませんが、ほとんどの方は以前の損が埋まったくらいではないでしょうか。いまガソリン価格は小康状態ですが、円安で身の回りのものが徐々に高くなりつつあり、喜ぶべきものかどうか微妙ですよね。当社にとっては円安で飼料原料が値上げになるでしょうから困ったものです。

 さて、こういう世の中になって、皆さんはご自分の仕事についてはどう思っているでしょうか?

 先日、食鳥新聞を読んでいましたら、日本政策金融公庫の調査で農業の後継者について調べたら、チキン業界の後継者は83%がいると答え、他の種類の農業を圧してナンバーワンでした。

 ありがたいことだと思いませんか。チキンは数少ない成長産業です。転職を考えずにいれますし、やっただけ成績が出て、報酬がもらえる。プロ野球の選手のように30代だとかで終わりじゃなく、70才あたりまで現役でできる。

 頑張っても成績が出ないという方もいるかと思いますが、長い目で見れば、この仕事にどっぷり浸かって、自分の変な癖を治せば着実に成果は出るものと思います。

 雛の育種改良や大規模化で、飼育の仕方も変わってきて、農場の方が勉強することはどんどん多くなり、私が会長を務める日本チャンキー協会の技術ゼミナールも飼料会社の方を含めたくさんの方が集まり、業界はいわば一大教育産業の様相を呈してきているのではと思います。

 厳しい業界ではありますが、私も時々来る大きな波に飲み込まれないように皆さんとともにしっかりやって行きたいと思います。 簡単ではありますが最初の挨拶とさせて頂きます。今日はよろしくお願いします。
 

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 全国各地から遠路仙台へようこそお越しくださいました。仙台は最もホテルの予約が取れない都市となっておりますが、皆さん大丈夫でしたでしょうか。普通のホテルを取れましたでしょうか?

 さて、いま中国では、H7N9型のトリインフルエンザが猛威を奮っており、最新の情報で16名の死者が出ているとのことです。

 この型のインフルエンザが原因で死んだと分かるほど医療体制が整備されているのはごく一部ですので、この何倍か、いや何十倍かの死者が既に出ているかもしれません。

 中国では現在、鶏肉消費の減退に見舞われており、餌付けにも影響が出始め、飼料穀物市況の高騰に一服感が出ている一因に成っているようです

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 その前に、忘れてならないのは、鳥インフルエンザに先立って中国国内で起こった「速成鶏」の騒動です。

 中国マスコミは、最近ではアップルやマイクロソフト、以前にはソニーなど日本メーカーの企業姿勢を槍玉に挙げて攻撃するという民族保護的なことを遠慮なくやる国ですが、それに関連してか、米国系の外食チェーンをターゲットに、抗生剤や成長促進剤の過剰投与が話題になっていたようです。

 日本の10倍もの人口を抱える中国の食の動向が、世界に何らかの影響を与える構図がより鮮明になりつつあるといえるのではないでしょうか。

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 しかし、一方、中国の鳥インフルエンザの影響で日本の消費はと言いますと、いまのところ全くと言っていいほど影響がない状況と聞いております。これは成熟した日本のマスコミと消費者を実感する現象といえるのではないでしょうか。

 厳しい経営環境にある食鳥業界ですが、日本のマスコミが安全についての国内と海外の実態の違いを暴いたりするなどすることで、我々は日本国内の消費者の圧倒的な支持を頂き、恵まれた環境で仕事ができています。

 中国人独特の個人主義が、食品安全の不信の源になっているように思いますが、中国が徐々に変化して成熟してくると日本もうかうかしていられなくなります。

 しかし、これまで築き上げた国産への信用は、我々チキン業界人が日本人らしい伝統的な道徳観、倫理観、それに非常にハイレベルな衛生感覚を持ち合わせていることが鍵と成っているのではないでしょうか。

 その日本固有の財産となる価値観は、業界人がこうして集まり情報交換することでより強固になり、国産チキンの競争力の礎になっていると思います。

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 昼の会議とともに夜は是非、同業者間で情報交換を行なっていただき、被災地仙台にお金を落としていただければと思います。

 最後になりますが、準備に奔走していただいた日本チャンキーの皆さま、チャンキー協会役員の皆様、今日まで準備をしていただいた発表者の皆さまに感謝申し上げ、私からの挨拶とさせて頂きます。

(写真:ゼミナール会場の仙台サンプラザの近くの榴ヶ岡公園にて)

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 唐揚げ専門店が増加中!

 タイトルにめでたい出来事を綴ったが、全国で既に500店を超える勢いだそうだ。もちろんこれは近ごろテレビや雑誌などマスコミで露出頻度が高まっている日本唐揚協会さんの影響である。

 仕掛け人は同協会の専務理事の肩書きを持つ八木宏一郎さん。会長で甘いマスクを持つ安久鉄平さんを表舞台に送り出して唐揚げの存在感を高めていただいている。とてもありがたい存在である。
 

 安久会長は子供の頃から唐揚げが好きになり、大学生の頃に「唐揚百日行」を達成。今でも一日一唐揚げを実践中。「唐揚げは食べると幸せになる食べ物」として世界平和を願っているそうである。

 一方、八木専務は「唐揚げで国力向上、外貨獲得」を掲げ外資系フライドチキンチェーンに負けずに唐揚げで世界に出ていくことを目指しているそうである。
 

 もちろん彼らとてビジネスでやっていることではあるはずだが、20世紀では考えられなかったようなユニークな空気感を醸成し社会に影響を与えていることついては、チキン業界人でなくても興味を覚えるところであろう。

 さりとて一般社団法人日本食鳥協会として積極的にアプローチしていくべきかというと疑問が残るところで、どうやら既存のしがらみを超えてもっとクリエイティビティに富んだ活動を望んでいるように感じられるし、そうあってほしいものだと思う。

 彼らには素材としての国産チキン贔屓だとか輸入品対応だとかいう考え方も無いらしい。

 ただ私が聞いた「いま話題の大分県中津市や宇佐市の唐揚げ店の原料はどれくらいの店で国産を使っているのでしょう?」という質問には「90%国産だと思いますよ。輸入品使ってたら肥えた舌を持つ地元の人が許すでしょうか?」という答えが帰って来たのである。

 その反面、彼らは大手コンビニとタイアップして全国各地の味付けで唐揚げを販売しているわけで、これは恐らく輸入原料を使用したものだろう。つまりは唐揚げという料理のもつポテンシャルに、世界平和や国力向上を本気で期待しているということなのだろう。
 

 いずれにせよ日本国内での一人あたりの鶏肉の消費量は欧米諸国に比べるとまだまだな状況から脱しきれていないという業界側からの認識からすれば、拡大方向に持って行ってくれるありがたい存在だ。

 しかも前述のように、大分系の唐揚げ店は国産利用率が高そうなのである。東京進出だけに留まらず、まさに世界に羽ばたいて外資系フライドチキンに対抗し世界数千店のチェーンになってほしいものだ。

 その際には我々産地も世界に本気で目を向けるようになろうか。
 

 震災以降、ブラジル産もも肉が量販店にも一定のシェアを構築しつつあるわけだが、外食ではこのような芽が出ているように、逆に国産が挽回することを期待したい。

 また同業のP社さんは巨額を投じて国産原料の加工品工場を開業された。これも輸入品に席巻されている中食市場に一石を投じる動きとして期待したい。
 

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 北は北海道から南は鹿児島まで、皆様遠路岡山までおいでいただきありがとうございます。温暖化の影響か、この春、各地で強風に見まわれ被害に合われた方もいらっしゃるかと思います。お見舞い申し上げます。各社さんとも鳥インフルエンザの厳戒体制は解かれておりますでしょうが、5月に入ってからも台湾でH5N2の高病原性鳥インフルエンザが発生しておりますので、海外渡航には十分お気をつけ下さい。

 さて、4月の技術部会の私の挨拶で、農場長に5年ごとに更新される国家資格をと提唱しましたところ、各方面から少しだけ反響を頂いております。監督官庁である農林水産省にしてみると、食鳥業界だけ先にというのは考えにくいとは思いますが、生産側自らがこんなことを言い出し、実現に向かって進むことになれば、消費者はどう思うでしょうか?

 大歓迎されると思います。鳥インフルエンザだ、口蹄疫だ、BSEだと昨今、畜産の病気に関する話題がここ10年異常に多くなり、食の安全に対する関心が高まっているだけに、畜産団体が積極的に上のレベルを目指して取り組んでいることが分かれば、ますます国産に対する信頼性が増します。

 いや、信頼性が増すだけでなく、実際畜産業のレベルが高くなります。そして社会的な地位が高まることで、業界全体でも採用面でも改善されるのではないでしょうか。

 ところで昨今、脱サラして農業でもやってみようかとか、畜産でもやってみようかと思われる方は多いようです。しかし逆に農業、畜産ともに成功できる確率を考えると、逆に一般的なサラリーマンをしているより敷居が高いはずです。

 ちなみに、たくさんの人間を扱う医者は非常に高い知識を必要とします。獣医はそと同等の知識が必要になっています。医者には看護士というサポート役がおり、国家試験です。少なくとも現代の畜産に従事する仕事をしている方は、飼育羽数、飼育頭数から考え、病気が発生した時の社会的な影響を考えると、少なくとも看護士以上の知識・技能が必要ではないでしょうか。

 私は先日、産業廃棄物取り扱いの資格を5年ぶりに更新しました。産廃を不法に取り扱うと社会的に非常に影響が大きいわけで、その抑止力という点からも国家資格があるのでしょう。その仕組になるほどと思いましたし、ならば畜産業にも同様の資格があってしかるべきだと思います。

 それからもうひとつ問題提起したいことがあります。カリフォルニア州で、採卵養鶏のケージ飼いを禁止する法案が通ったというニュースがあったのは数年前だったでしょうか。カリフォルニア州で禁止になっても、他州から流入する卵はケージ飼いでない卵が入ってくる。なんともおかしな話なんだろうと思いましたが、日本でも似たような話になっているのです。

 抗生物質残留が心配無いように飼料安全法では7日間の休薬期間が定められており国内の我々はそれを厳守しているわけですが、輸入チキンはまったくそれが当てはまっていないようです。EUでは輸入国にあたるタイにはEUの飼育ルールをそのまま当てはめるのだそうですが、日本はまったくそういうことにはなっていないようです。入った時点で問題なければ問題なし、という見識なのでしょうが、スタート地点は同じにしてもらいたいものです。

 また、業者さんから聴いたところによりますと、飼料添加物の許認可は、欧米にかなり遅れているとのこと。

人用の医薬品でもそうですが、効果とともに副作用などの害が軽減する方向にも改善される傾向にありますので、いつも5年や10年古いものを使わなければならない現状では、ハンディが有り過ぎます。是非、スピーディーな対応を監督官庁にはお願いしたいと思います。

 最後になりますが、日本チャンキー協会はこのたび40周年を迎えたとのこと。素晴らしい商品とサポート体制があってこそであります。供給して下さっているエビアジェンさん、株式会社日本チャンキーに感謝申し上げ、冒頭の挨拶とします。

 (写真:懇親会にて)
 

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 北は北海道から南は鹿児島まで、260名の皆様、遠路東京までおいでいただきありがとうございます。寒い冬が過ぎ、無事日本国内での高病原性鳥インフルエンザの発生の無いまま春を迎えることが出来ました。

 昨年見舞われた宮崎あるいはその周辺の各社さんは、特にその翌年ということで入念に対策を練って臨まれたと思います。「発生がなくて良かったですね」とお互い勞いたくなるような春の陽気になってきましたが、日本全国、今しばらく用心して梅雨をむかえたいものです。

 さて、一連の高病原性鳥インフルエンザの発生は2004年からで、当時79年ぶりと言われました。それから幾度となくその脅威にさらされてきました。地球上に人間の数がどんどん増えて、肉食が増えていけば、飼育する鶏も増える。増えると高病原性鳥インフルエンザが発生しやすくなる。

 これは業界の天敵のような病気だな、果たしてこの業界に未来はあるのか。恒常的に病気に見舞われる牛、豚、鶏に代わる畜産動物が出現して世界を席巻するのではないか、と思ったこともありましたが、まあ、そのあたりは私の妄想かもしれません。

 いずれ、これまで幾度と国内発生したことで、我々業界人もその対策のレベルを上げてきたと思います。もちろんその中には空港で靴底を消毒するなど外部の対策もありますが、究極的には自農場の、「当たり前のことを当たり前に実行する」の一点ではないでしょうか。

 防鳥ネットの網目、長靴の交換、踏み込み消毒槽に漬けるといったことが、必ずしも100%できないので頭を痛めていた会社さんもあったかと思います。

 しかし、これほど国内での発生が続きますと、業界全体の防疫意識が高まってきて、そんなレベルの農場はほとんど存在しないようになってきているのではないでしょうか。

 また、会社全体での防疫意識、あるいは仕事に取り組む姿勢が高まって、組織としての強固さが高まるという副次的な効果があると思います。

 東日本大震災についても同様で、被害にあった当社もこのことで良い教訓が得られ、組織が強固になったと思っております。

 さて、ここで私の持論のひとつを述べさせていただきたいと思います。結論を先に言うと、鶏を飼育する農場長には国家試験合格を必須とすることです。

 以前は、農家の水準を上げるために厳しい試験を課したらどうかという着目点でそう思っておりましたが、今は、これだけハイレベルなことを実際要求され実践しているんだから、国家試験合格の勲章を与えたいと思っています。

 ちなみにシンガポールでは、日本のQBハウスが人気なんだそうです。なぜかというと日本には理容の国家試験があって、シンガポールにはない。だからシンガポール資本の理髪店は技術水準がバラバラで、日本資本だと一定水準だから安心だというそうです。

 ところで、量販店の店頭には、農家さんたちの顔が印刷されて消費者に買ってくださいと訴えております。残念ながら社長の顔では全然売れません。

 農家さんたちの社会的な地位を更に向上させるよう努めることで、当業界もより潤うのではないかと思います。その一つが国家試験、と思うのです。これは広く畜産業界全体に言えることでしょうが。

 運転免許では無いですが、最新の情報を得るためにも5年毎の更新義務くらいでやったらどうかと思います。

 最後になりますが、今日明日の充実した日程を組んでいただいた事務局とプレゼンする関係者に感謝を申し上げ冒頭の挨拶とさせて頂きます。ありがとうございました。

(写真:2日目のプログラム開始前)

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 恒例となっています鶏鳴新聞新年号の本年の原稿を掲載させて頂きます。

 昨シーズン猛威を振るった高病原性鳥インフルエンザの国内発生で殺処分羽数は180万羽だったそうである。

 偶然の一致だが、その後の東日本大震災で当社は飼料供給が絶たれ、通常の斃死率になるまでにおよそ180万羽の生鳥が衰弱死してしまった。同時期に、初生雛への飼料供給もできなかったので、180万羽の雛を淘汰せざるを得なかった。合計360万羽、最終的には丸1ヶ月分の売上を絶たれた計算になる。

 それでも設備面での被害は最小限に収まった当社は恵まれている方で、5月下旬には通常稼働に戻り、7月初頭には銘柄鶏も店頭に復活することができた。
 
 飼料供給がストップして以降の4月の生鳥体重は最悪の時には通常の半分程度の1.5キロまで下がってしまった。しかしお客様である流通関係者には温かい目で見守っていただき、店頭で説明しなくても消費者の方々には暗黙の了解で購入いただいたこと、誠に感謝の気持ちでいっぱいである。
 
 また、工場稼働日が20日ほど削られてしまったが、休業補償を受けることで社員の皆さんの生活が守られ、会社の負担も軽減された。さらに、岩手県では食鳥検査料を1年間免除するという英断をいただいた。加えて、取引先はもとより食鳥協会会員からも多額の見舞金を頂戴したことにもここで感謝申し上げたい。
 
 そして、震災被害による需給のアンバランスといえばそれまでだが、震災以降の市況が比較的堅調だったことで、震災の被害もいくばくか取り戻しつつあることで、市場価格の仕組みそのものに対しても有難いと実感した。
 
 未曾有の事態を経験した年であるのに、2ヶ月後には通常のサイクルに戻り、いま振り返ると、震災は遠い過去の記憶のようにも思える。同時に、チキン業界はどこにも依存しないで成り立つ気高い業界だという我々業界人の認識がいささか勘違いだったかな、という余韻を残しているのだが。
 
 ところで私も経営者の端くれであるので、震災後に世の中はどう変わっていくかを注視して経営判断をしていかねば、と思って震災を機に、1年以上読んでいなかった新聞をつぶさに読み始めた。津波の被害はもとより原発事故の影響でイメージダウンして、日本の国力は低下するのか。それとも復興需要で景気は持ち直すのか。

 しかし、時間が経過するに連れ昨年は欧州通貨危機、それに伴う円高、更に日本経済を打開するためのTPP交渉参加表明があった。
 
 現時点で「失われた二〇年」と言われているが、世界的には金融工学を駆使して人類は実力以上の豊かな生活を享受してきたわけで、そのツケを払うべき時がやってきたというだけであろう。これまでと同じような繁栄はもう帰ってこないと思うくらいがちょうどよいのではないか。
 
 少子高齢化がますます進む日本。真に効率的で無駄のない社会を追求していく腹を決めなければ立ち行かなくなると思う。食鳥業界はその先頭を走っていくという心意気で新年を迎えたい。

(写真:九戸村「ふるさとの館」の離れ)
 

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 「岩手経済研究」という雑誌を出されている岩手経済研究所からの原稿依頼が来ました。過去に一度書いたことがありますが、再度ということでしたのでこれから考えることに成りますが、ここでは2002年の原稿を紹介しておきます。なお、ここでは「日本一を目指す!」のは当社じゃなくて、岩手県の同業者で、です。

 岩手県は畜産が盛んな県のひとつに挙げられるが、特にブロイラー(=若鶏肉)は全国の生産量の14%を占め、鹿児島県、宮崎県に次ぎ、「主3県」の一角に数えられる。3県で全国の生産羽数の51%(平成12年実績)を占め、なかでも最大の消費地である首都圏への供給では、質量ともに主役の座を占めていると言って良いと思う。これは九州より近いので新鮮さという点で優位であることとともに、岩手県人の仕事へのまじめな取り組み姿勢が実って評価を頂いていると確信している。なお、鹿児島県、宮崎県は小雛と呼ばれるKFC(ケンタッキーフライドチキン)向けの羽数が結構含まれるので、実質的な事業の規模では岩手県はトップに引けを取らないところまで来ており、増田知事にも「せっかくなら日本一を目指して欲しい」と励ましていただいてもいることから、岩手県ブロイラー事業協同組合に所属する業者は連携してそれを実現すべく取り組んでいるところである。
 
 一言で岩手県ではブロイラーが盛んと言ったが、おおまかに県北と県南に分かれる。県南は釜石市や宮城県石巻市に飼料コンビナートがあり、県北は青森県八戸市に飼料コンビナートがあるという立地条件から成り立っている。当社は県北にあるわけだが、なぜこの地域でブロイラーの飼育が盛んになったのかというと、「山ばかりで平らなところがなく、ヤマセなどから日照時間も短く、美味しい米も取れないこの地域には、山間地に鶏舎を建てることであまり土地を必要としないブロイラー産業がふさわしかったのではないか」と答えられるのではないか。実際、創業者である私の父は、見込みのある地元の農家にそのことを説いて回り、仲間を増やした。その後、ブロイラー産業が安定した収入が得られるという認識が広まり、農場数が増えていった。近頃では、農場の大規模化とともに、世代交代や住宅地の拡大により規模が小さいところは止めるなどして農場数は現在300近辺となっている。
 
 処理工場では現在およそ3500人もの就業者を抱えている。一時は「きつい、汚い、給料が安い」3Kの職場の一つと言われたわけだが、平成3年に食鳥検査制度がスタートし、処理工場の衛生基準がより厳しくなり、それまでの感覚での工場の運営が出来なくなり、ここ10年ほどで機械化も進んできたことから飛躍的に工場の設備は近代化したと言える。それでも最近の主婦は包丁を持たなくなったとか言われるように、産地の工場では「カレー用切り身」や「焼き鳥」などの加工度が高まるに連れ、より雇用人員は増えている。ここ数年は岩手県内で螢▲ぅ錣気鵑筌▲襯廛硬典き蠅気鵑療餌爐箸いΕ縫紂璽垢あったこともあって、当業界は女性の雇用が中心となるが、ここへきて雇用についての責任感をますます感じざるを得ない。
 
 さて、日本一のブロイラー生産県を目指すに当たって一番ネックとなるのは平成16年11月より規制がより厳しくなる糞尿処理の問題である。一般に採卵養鶏と違ってブロイラーは地面で飼育するので、敷料としておが屑やもみ殻を使い、鶏が出荷する際には、それに糞尿が加わり、出荷した鶏の体重にほぼ相当する量の「鶏糞」が出荷される。その数量は岩手県分だけで年間およそ24万トン。1日10トントラック700台分にも成るわけである。無論、国の規制が厳しくなるのと同時に、補助制度も充実しているが、このおびただしい数量が消えてなくなるまでには相当の費用負担が生じる。鶏糞で発電という飛びつきたくなる話もあるが容易に採算が合う話ではない。中国をはじめとする輸入相手国のライバルたちには、安い人件費で生産できるという武器があると同時にこういった部分の費用が不要ということが少々羨ましく感じる。蛇足ながら、中国では、日本では決して食卓に並ぶことの無い鶏の足も頭も正肉(むね肉ともも肉)に負けない価格で販売されている。日本へ人気のもも肉を少々安く輸出しても採算に乗るのである。

 少々愚痴っぽくなってしまったが、食品の信用を落とした数々の事件を含むここ3年くらいは、当業界にとって追い風であったのも事実である。輸入鶏肉は大幅に安くなっているのに、国産鶏肉は高止まりしている。輸入品より国産のほうが「安全」「安心」だということが評価されてのことである。同時に飼料穀物の市況も安定し、過去の苦戦をなんとか挽回できる機会となっている。
 
 チキンは低カロリー、高タンパク。アメリカ人はすでに主食の牛肉から鶏肉への移行を完了し、ブロイラー生産もここ10年前年比5%程度の増産を繰り返してきている。日本でも必ずや食材としてのチキンが見直される時期がやってくるはずだ。国民の食生活に欠かせないはずのチキンの供給を岩手県がイの一番に担う。そんな姿を夢見ながら、私は今年1月より2代目としてこの業界に属するひとつの会社のトップの責務を担わせていただいている。
 

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 例年通り、本社では朝礼の後、鶏霊祭を行いました。終わってからの私のスピーチは、「慰霊の言葉」から脱線しましたが、要旨をそのまま載せますね

 この震災で、当社では160万羽の鶏が餓死し、180万羽のひよこが生まれてまもなくエサがないということで処分されました。こんなことで業界随一の羽数になってしまったこと、大変無念です。

 340万羽、つまり年間の7%がこうして肉になること無く天に召され、痩せ細った鶏の分まで合わせるとちょうど1ヶ月分の売上が無くなることになります。

 ところで、岩手県の沿岸の方々は、津波は生きて行く上でどうにも避けられないものとして認識してその準備をしていたでしょうが、我々はどうだったでしょうか。山だから津波は全然問題ないと思っていたのではないでしょうか。

 しかし、結果的に飼料工場の被災で致命的なことになってしまいました。みなさん、震災後にそれぞれの持ち場で頑張っていただきましたが、こうした天災への備えが欠如していたことを、私を含め大いに反省しなければならないと思います。

 想定される事態を前もって想像し、シミュレーションして共有化しておくことで、将来教訓として生かされるようにしたいものです。

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 Kさん、Mさん、そしてI家、K家の皆様、本日はご結婚、本当におめでとうございます。

 ご紹介いただきました、十文字チキンカンパニーと岩手農協チキンフーズの社長をしております、十文字保雄です。新郎のお父様が社長で、新郎が専務をされているI商事さんには大変お世話になっております。いつもスピーチが長いと言われますので、30分くらいで切り上げるようにしたいと思います(笑)。

 さて、新郎のお父様のSさんには、もう20年以上前、私が若造だった頃から存じあげておりまして、当社の課長から工場ナンバー2の次長になったわけですが、非常に言葉少なく、しかし芯がしっかりしていて、不言実行型と言いますか、まさしく岩手県人の典型のようなタイプでして、大変頼りになる方で、独立して40人もの人を率いて仕事をしてもらっているわけですが、安心して仕事を任せられております。
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 その息子さんの新郎とは、あまり話したことがなかったのですが、先日、結婚の報告ということで、わざわざ当社においでになり小一時間会話をさせていただきました。

 第一印象は、お父さんそっくりだな、でした。正しく無駄口を叩かない。じゃあ、つまらない人間かというと、結構面白い人間でして、経歴を聞いていて楽しくなってきました。

 新郎は高校を終わったあと、八戸の会社に就職して、もらった給料のうち7〜8割は車につぎ込んでいたそうです。

 部品を買ってシャコタンにしたり、真夜中に目的地もなしに走りまわってみたり‥。

 それって暴走族じゃないの?と聴きましたら、サーキットを走ったりする方で、スピードだとかを真面目に追求するタイプだったんですね。

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 ところで、私は新卒の学生の最終面接を1年に20〜30人くらいやるのですが、「何か凝っていることとか、収集癖とかありますか?」とよく聴きます。

 好きなことにどかっとハマるタイプは、仕事を好きになれば、ディープに仕事をしてくれる期待があると思っておりまして、新郎のKさんはまさしくその典型で、5年前にいまのお父様の会社に入り、今や朝から晩まで仕事をしているそうです。

 また、他にも中高ではブラスバンドが好きだったり、歴史が好きだったそうですが、歴史が好きという経営者、リーダーは多いんですね。

 「愚か者は経験に学び、賢いものは歴史に学ぶ」といいますからね。

 新郎がI商事さんを継ぐ日もそう遠くないと思いますが、安心して任せられる人だと思っております。

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 最後にはなむけの言葉を贈りたいと思います。「7〜8割」という言葉で思い出しました。

 藤田田(ふじたでん)さんという日本マクドナルドの創業者でカリスマ経営者で有名だった方の言葉です。

 「人生は希望を6割達成できればまあまあいい。7割いけば上出来である。8割できれば感謝すべきなのである。」

 結婚生活もこんな感じで乗り切って、よき家庭を築いてください。

 末永く幸せに。

 本日はご結婚、誠におめでとうございました。

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 昨年、社団法人日本食鳥協会がめでたく50周年を迎え、式典および懇親会が盛大に開催された。喜ばしいことである。

 ちなみに当社も創業者である現会長、十文字健助が事業化に着手して以来50年を迎え、十文字の十にちなんで、10月10日日曜日に感謝祭を開催させていただいた。

 本人から当日は「鶏を飼育してから数えると実は60年」と挨拶のスピーチがあったので、40年後に100周年を開催しようかと密かに考えているが、チキンのもつ高い栄養価のパワーで87歳まで生き永らえたいものである。


 実はこの原稿を書いている11月21日、ドイツに滞在している。

 チャンキー協会のミッションでEurotierの視察に来ているのだが、近くに来たついでに車好きが高じて、週末、フォルクスワーゲン、メルセデス、アウディ、BMW、ポルシェなどの博物館を見て回る機会に恵まれた。

 1886年、ベンツ博士の1馬力に満たない内燃機関付きの最高時速16キロの乗り物からスタートした自動車業界。

 ドイツでは人気に火がつかず、しばらくしてフランスでヒット。これまでにない商品を普及させるための初期の悪戦苦闘は数知れず。

 やっと起動に乗っても第2次世界大戦や業績不振などをくぐり抜けて、それぞれのブランドが生き残っていることが改めてわかった。

 ヨーロッパの自動車メーカーは小規模なブランドのストーリーを価値として認めることで、経営的には大手企業に統合になってもブランド名は残っている。

 やっぱり自動車業界は人があちこちに転職しようが、歴史が企業にとっての価値なんだな、と改めて思った。

翻ってチキン業界。創業期の困難はさておき、当業界の技術革新は、経営母体というよりも育種改良やシステム開発といった周辺で行われるので、あまり華々しいストーリーは出来にくいのだが、それぞれの企業で一つや二つ語り継ぐべき当時のエポックメイキングな出来事があったはずである。

 そういうものを大事にして、企業のブランドを創り上げていかなければならないと改めて思う。

 なにしろ海外からは安くてそこそこ良いものはこれまで以上に入って来やすくなる傾向は止められないのだから。


 50年間ずっと効率最優先でやってきたチキン業界では、困難の度に洗練され、経営上「遊び」に当たるものが徐々に減ってきているように思う。

 筋肉質で基礎体力が強くなっているとも言えるのだが、これからの人口減少、低成長の時代、それだけでは語るべきものがないつまらない時間を重ねるだけになりはしないか。


 今も歴史を創っているという気構えを持ち、適度に遊びを交え、イキイキと仕事が出来る環境づくりを改めて作りたいと試行錯誤が見て取れるクラシックカーの数々を見て思った。

(鶏鳴新聞2011年新年号に寄稿した文章です)

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 早いもので50周年感謝祭からちょうど1ヶ月が経過しました。なんだかまだ10日か2週間しか経ってないような気がするのですが‥。

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 その時の社長挨拶は、2010年10月10日10時10分10秒のカウントダウンがメインになってしまったので、その時来場者の皆様に配布した社内報が社長あいさつという解釈をいただきましたので、今日はその拙い文章をそのまま紹介させていただきます。

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 この社内報が発行されるのは10月1日。数十年に一度のイベントを目前に控えて、関係者は最後の詰めの準備に忙殺されている頃でしょうか。

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 実はこの原稿を書いているのは9月1日です。1200人が入る市民文化会館の午前の部は社員関係者で1000人が埋まり、午後の部も一般市民からの応募が好調で、OBには午前の部に入っていただいたとしても抽選漏れがどうしても出てきそうです。

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 さて、この一連の50周年を祝うイベント。2会場ともに基本的に無料で振る舞うということになっております。タレントさんを呼ぶ費用を含め、たった1日で相当な費用がかかるのは言うまでもありません。さらに二戸市、久慈市、八幡平市、軽米町、洋野町、九戸村には寄付もすることになっております。そして、社員の皆様には、秘密の品物を記念品としてお贈りしたいと思っております。


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 こういうことが出来る体力を整えて50周年という節目を迎えることが出来たことを、社長として非常に嬉しく思います。


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 当社は十文字健助が中学生の頃の入院を機に卵の栄養に着目し鶏を飼い、やがて鶏肉にシフトしていき、ブロイラーの国内への導入にいち早く飛びつき、昭和40年代、50年代という高度成長の時期に、当業界に吹いた追い風に乗って着実に成長しました。


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 昭和60年代から15年ほど、輸入鶏肉の台頭と、急激な規模拡大による借金増大が重なり、非常に厳しい時期がありましたが、そうした試練をくぐり抜け、ここ数年は皆さんの努力と、比較的穏やかなチキンを取り巻く環境により、安定した舵取りが出来ております。


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 考えてみますと、こうして50周年を迎えることが出来ますのは、創業から一貫して、働いている皆さんがただ単に労働時間を提供しているというのではなく、気持ちを入れて仕事をしている結果ではないでしょうか。これは良き当社の伝統ではないかと思っております。私も引き続き、社員の皆さんの力を引き出す経営をしていきたいと気持ちを新たにしております。


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 今回いらっしゃる会社以外の関係者は、OBであったり、働いている人の家族だったり、地主さんだったり、ご近所の方だったり、やがて当社に入社する人だったり、消費者としてユニバースやジョイスやいわて生協で当社の商品を買って下さっている人だったりします。この地域で当社と全く関係のない人のほうが少ないくらいになっていると思っております。


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 十文字グループは「大家族主義」で行こうという方針ですが、地域の方々はみな親戚くらいに考えておくのが良いのかもしれません。


 終わりに‥、2010年10月10日、10時10分10秒という時間も刻まれることですし、お祭り気分で当日は楽しく行きましょう!!

(写真:カウントダウンの40秒間をパラパラ漫画で‥)

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 昨日、内定式がありました。今年で3回目になります。私からのスピーチを書いておきます。次回も使えるように!

 みなさんは、定年まで最低あと38年働くとすれば、450ヶ月ほどあります。これから入社まで6ヶ月。もちろんそれまでは学生ですが、内定式を過ぎるということは、当社の社員だけど6ヶ月という超長期休暇をもらっているとも考えられます。

 その間当社の内定者の研修プログラムはあるが、かなり自由だと思う。せっかくなので有効な時間の使い方をして欲しい。特に、当社は農場であれ工場であれ、年上の人の面倒をみるという対人的な要素が大きい仕事が多いので、人間の幅を広げるようにして欲しい。

 そのためには、海外を始め遠くに出かけてみるのが一番と思う。自分の固定観念を破壊するようなところに出かけてみてはいかがかと思う。私は大学4年生の時に、夏に能登に、冬にはヨーロッパ1ヶ月ツアーに参加した。アルバイトもギリギリまで違う世界のものにこだわって短期バイトに参加した。

 入社式のある3月20日までにはちょっと成長した顔を見せてくれることを期待しております。

(写真:6月の中国出張でいただいたお土産)

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