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 20年前に発刊された畑村洋太郎著「失敗を生かす仕事術」を読んでみました。

 当時の社会的事件になった事例を挙げながら、失敗というものをどうとらえるか、学術的な話から心構え的な内容、そして失敗学の権威としてあるべき仕事術を開陳しているような本でした。

 経営者としては、常に失敗することまで想定しなさいということでした。私なりに解釈すれば、利益を十分蓄えておきなさいということかと。「そんな失敗、痛くもかゆくもないよ!」とトップが言える状態にしておきなさいということでしょう。

 それから、失敗事例をオープンにする社風を作ること。他者の失敗に学ぶ習慣が付ければということで、始末書の社内ネットでの公開とともに、社内ブログで自らの失敗をネタにすることができているからまずまずかな。

 それにしても20年前の本での日本社会のおかしさの指摘がそのまま今に当てはまることが残念です。著者の言う「成功偏重主義に陥っている日本」は今の不寛容な社会を言ってるんでしょうね。政治家やマスコミの「言葉狩り」はいじめにつながるし、そろそろ終わりにしてほしいものです。