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 この写真のナショナルブランドのラジオ、クーガーNo.7はもう私の手元にありません。というのも、家にたくさんあったラジオをここ1年で半分くらい断捨離したもので。

 振り返れば、1973年に発売され瞬く間にベストセラーになったこのラジオの音の良さは、小学生当時の私には衝撃的でした。それはFM放送の音の良さでもあり、以降FMエアチェック全盛期の波に私も巻き込まれていくのでした。

 しかし、この音の良さはモノラルだったからというのもあります。ステレオラジカセとなると、私の住む山間部ではキーンというノイズがつきまといました。コンポを導入した際には、でっかいFMアンテナを屋根の上に付けてもらってなんとかノイズを低減しましたが、ゼロにはなりませんでした。それでもエアチェックしたカセットテープは数百巻になりました。いい思い出です。

 AMは更にひどい環境でした。NHKと民放を問わず県庁所在地の盛岡からの電波は半分がノイズという感じ。しかし夜になれば、東京のニッポン放送やTBSラジオが聴けるようになるので、ノイズがあってもそちらの価値観はあったかな。

 そんなところに住んでいるのでradikoの出現は大歓迎でした。さらにアマゾンのEchoを各部屋にセットして聞けるようになると、昔のラジオが何もいいところが無いように感じてきて。スイッチオンですぐ聞けるのはいいところですが。

 やがて、古いラジオにとっても、電波が強い地域に住む愛好家に方に使っていただくのがいいのではないかという思いが芽生えてきて、断捨離してしまいました。

 さて、ここへきて、NHKがAM放送のチャンネルを減らすとか、民間のAM局の大半がFM放送に転換するというニュースがありました。

 誰でも音声で発信できる時代になって、ラジオは音質が良いFMだけが厳選されて残っていくのでしょうね。それでも電波の特性だけは変えられず、私にとってはノイズの乗るFMであり続けるのか‥。

 テレビはというと、アナログからデジタルになったときに劇的に変わりました。これだと都会に一切の引け目を感じることがありません。ラジオもいっそのことデジタルになって、ノイズレスになってもらえれば良かったのですが、私が生きているうちは絶望的かな。