P1030244

 ここ10年ほど私の頭にあるひとつの認識は「紀元前の一国の王様より、現在の70億人の大半が美味しいものを食べ快適な暮らしをしている」だろうということです。

 それもこれも人間の命に限りがあり、得てきたものを次の世代に売買するのじゃなく、プレゼントされてきたから今があるわけで、もしかして自分で稼いでそれを使うよりも、前の世代から貰ったもののほうが大半ではないのか?と思いはじめていたのです。ま、前者と後者を比べる手はずはないわけですが。

 そんなこと思っていたので、タイトルからこれは読まないわけにはいかない思い、近内悠太著「世界は贈与でできている」を手にしました。

 歴史関係の本かと思ったら、哲学の本でしたね。私も何冊か読んでいる内田樹さんとは違う結論を以て贈与を解釈しています。

 ネタバレするので軽く触れる程度にしておきますが、稲盛和夫塾長の言っている「利他」とニュアンスが限りなく近いのに驚きました。

 贈与と利他。ま、もともと意味が近い言葉ですが、愛の意味だとかそういうことじゃなくて、人間を幸福にするのは何なのかという哲学の根源的な問いから得られる、資本主義社会下での贈与の深い意味が学べました。

 読んでスッキリ。光明が差した読後感です。ちょっと難しい本でしたが。