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 同じ岩手の同業者である(株)アマタケの甘竹秀企社長が書いた「ひと手間カンパニー。岩手の端っこで“南部どり"を育て続ける会社のはなし」を拝読いたしました。

 周年誌を読んでいるかのような会社の沿革の話、東日本大震災で被災し復興するまでの物語、そして現社長のこれからの経営の方針と、三部構成で書かれておりまして、同じ業種の同じ経営者目線で訥々と書かれており、たいへん興味深かったです。

 スケジュール帳を見ますと、私がアマタケさんを見舞いのため訪問したのが、震災4ヶ月後の7月13日になっています。本社工場に浸水し、復活は絶望的ではないかとの観測の中、見事7月1日より復活されたと聞き、やっとお邪魔できるようになったということで出かけて行ったのでした。

 建物や機械はキレイに整備され、お目にかかる幹部や社員の皆さんが笑顔だったのは、そういうタイミングだったからでしょう。こうして当事者がその当時を振り返って綴っているのを見ると、そうだったんですか!の一言です。

 私と同世代の甘竹社長でもありますので、底辺に流れる経営思想には大変興味があるところでしたが、やはり私ら生産量では大手と言われるチキン会社とは大いに違うものでした。

 そういえば、21世紀の会という業界の経営者の団体で、岩手ツアーを企画して初めてアマタケさんを訪問した20年ほど前、先代社長に講演頂いたときは、独自の視点で経営されていて、真似出来ない世界だなと思ったものでした。時代が変わっても立ち位置は変わらずですね。

 しかし、社員の幸せを中心に据えて経営するという点では同じ。いい刺激をいただきました。