
業界の中では若手と言われていた私も今年、55歳となる。子供の頃、近所のおじさんが55歳で定年になり、出勤しなくて良くなり、少々寂しそうだった姿が目に焼き付いている。それに比べて現時点で私の仕事のゴールは全く視界に入っていないが、いい機会なのでその先を含めて考えてみたい。
振り返ってみれば、大学を終わって直ぐ父親が創業したこの会社に入り、20代後半で役員になり、輸入チキンに押され非常に厳しい時の経営の現場を経験し、国内生産も当社も先がない、もう駄目だと思ったものだったが、そこを我慢して続けていたら、消費者から国産チキンがこんなに支持され、消費がぐんぐん伸びる時代になるとは夢にも思わず、今まで縁あって当社に携わって仕事を続けてこられた方々に感謝の一言である。
今後鶏肉相場の小さな浮き沈みはあるかもしれないが、国内チキン産業はこれから10年、20年は良いのかもしれないなと誰もが思っていることだろう。
育種会社が商品の改良を順調に進め、それが商品者に受け入れ続け、機械化が徐々に進みさえすれば、あとは人口の減少に見舞われる中、気持ちよく働ける環境を整備して人を確保するだけ。チキンは食品素材としての評価は上がる一方で、果たしてこれだけいい環境で経営できる他産業ってあるのかなとも思ってしまう。
育種会社が商品の改良を順調に進め、それが商品者に受け入れ続け、機械化が徐々に進みさえすれば、あとは人口の減少に見舞われる中、気持ちよく働ける環境を整備して人を確保するだけ。チキンは食品素材としての評価は上がる一方で、果たしてこれだけいい環境で経営できる他産業ってあるのかなとも思ってしまう。
需要の拡大を背景に、いま当社を含め同業各社は増産に邁進している。最近の鶏舎は品質が上がり、50年以上は保つのではないかと言われているが、果たして今世紀後半にはどういうマーケットの変化が待ち構えているのだろう。
人口減少は確実に起きる。そのことは大きな課題だが、それ以外のことで最近気になる2つのムーブメントのことをここで挙げておきたい。
まずは、培養肉について。ヒトのiPS細胞で山中伸弥氏がノーベル賞を授賞し、今や世界各地でその実現への競争をしている段階であろう。
こうして命に関わるヒトの臓器の代替物を作ることより、肉の組織を培養することで培養肉を作ることは簡単らしく、日本ではインテグリカルチャー株式会社というベンチャー企業が既に孵化途中の卵から摂取した筋芽細胞から鶏肉を作り出すことに成功しているそうだ。
こうして命に関わるヒトの臓器の代替物を作ることより、肉の組織を培養することで培養肉を作ることは簡単らしく、日本ではインテグリカルチャー株式会社というベンチャー企業が既に孵化途中の卵から摂取した筋芽細胞から鶏肉を作り出すことに成功しているそうだ。
大量生産はまだまだ遠い先のことだろうが、動物を飼育することなしに実現するとすれば、アニマルウエルフェアや殺生の懸念から開放されることになる。コスト的にもリアルな動物飼育よりも安くなっていくだろうことは容易に想像がつく。そうなるとすれば、既存の我々にとって脅威となろう。
ビジネスベースで考えるならば、鶏肉より先に牛肉を作ろうとするだろうから、鶏肉は少し時間の猶予があるようなきがするのは楽観的すぎるだろうか。いや、そういう時代に成れば、牛・豚・鶏由来である必要もなくなり、全く違った遺伝子組み換えの美味しい栄養のある肉になっているのかもしれない。
ビジネスベースで考えるならば、鶏肉より先に牛肉を作ろうとするだろうから、鶏肉は少し時間の猶予があるようなきがするのは楽観的すぎるだろうか。いや、そういう時代に成れば、牛・豚・鶏由来である必要もなくなり、全く違った遺伝子組み換えの美味しい栄養のある肉になっているのかもしれない。
次に、人造肉について。大豆など植物性のタンパク質をベースに風味を肉に近づけたものである。私が見たテレビ番組では、牛肉とチーズについて日本は後発だが研究開発でクオリティがぐんと上がっているという。
以前、インドに行ってマクドナルドでベジバーガーを食べて、ああこんなものかと思ったのだが、この世界でも技術は確実に進歩するはずなので、いつかは本物の肉と限りなく近い風味と栄養を併せ持つものが出来るだろうと思う。いや、これも牛豚鶏を通り越して、それ以上の物ができてしまうのかもしれない。もしかしたら培養肉と人造肉のハイブリッドもあるかもしれない。
以前、インドに行ってマクドナルドでベジバーガーを食べて、ああこんなものかと思ったのだが、この世界でも技術は確実に進歩するはずなので、いつかは本物の肉と限りなく近い風味と栄養を併せ持つものが出来るだろうと思う。いや、これも牛豚鶏を通り越して、それ以上の物ができてしまうのかもしれない。もしかしたら培養肉と人造肉のハイブリッドもあるかもしれない。
そうなれば、2020年前後に作られた丈夫な鶏舎はオーバースペックで無用の長物になるのだろうか。
いずれ、私が現役でいるうちはそこまで到達しないだろうから、ひとまず拡大する需要に応えるのが課された責務だろうし、それに邁進することにしよう。
(鶏鳴新聞2018年1月1日号)
(鶏鳴新聞2018年1月1日号)