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 日本の消費者は、電子製品であれ農産物であれ概ね、輸入品を疑い、国産が安全・安心・高品質というイメージを持っていますし、日本産はアジアをはじめ、海外でも絶大なる支持をいただいています。

 それは日本人の歴史や文化の積み重ねで実現できたものであり、世界での競争力の源泉でもあるわけですから、今後も大切にしていくべきものであると思います。

 そして、これまでは煩雑になるからと言って、加工食品の原料はその表示義務を逃れていたわけですが、やっと義務付けがされるそうです。

 以前からおかしいと言ってきた私としては嬉しいはずですが、 さて、現実としてそれが実現したとして、マーケットはどうなっていくのかを考えると少し心配になってきています。

 現時点でも国産チキンは需要に供給が追いつかない状況。中国で賞味期限切れ鶏肉の事件があった2014年にも加工食品での国内回帰の現象が発生しましたが、我々の供給量は限られているので、タイに生産地が横滑りする現象が発生しました。

 それ以上の衝撃がこの表示義務化で起こり、国産チキンの生産増を求められるでしょうけど、産地はそんなに簡単に対応できないわけで、挙句の果てに広い括りでの「輸入」で済むとなれば、全然変わりなかったという状況も起きかねません。

 消費者は入手困難な国産に諦めの気持ちを抱き、逆に輸入品が堂々と胸を張って流通されることになるかもしれない、と思う私は心配しすぎでしょうか。

 必要だと言っておきながら、現実を考えると、国産チキンの産地として嫌な予感‥。