
恒例となっています鶏鳴新聞新年号の本年の原稿を掲載させて頂きます。
昨シーズン猛威を振るった高病原性鳥インフルエンザの国内発生で殺処分羽数は180万羽だったそうである。
偶然の一致だが、その後の東日本大震災で当社は飼料供給が絶たれ、通常の斃死率になるまでにおよそ180万羽の生鳥が衰弱死してしまった。同時期に、初生雛への飼料供給もできなかったので、180万羽の雛を淘汰せざるを得なかった。合計360万羽、最終的には丸1ヶ月分の売上を絶たれた計算になる。
それでも設備面での被害は最小限に収まった当社は恵まれている方で、5月下旬には通常稼働に戻り、7月初頭には銘柄鶏も店頭に復活することができた。
偶然の一致だが、その後の東日本大震災で当社は飼料供給が絶たれ、通常の斃死率になるまでにおよそ180万羽の生鳥が衰弱死してしまった。同時期に、初生雛への飼料供給もできなかったので、180万羽の雛を淘汰せざるを得なかった。合計360万羽、最終的には丸1ヶ月分の売上を絶たれた計算になる。
それでも設備面での被害は最小限に収まった当社は恵まれている方で、5月下旬には通常稼働に戻り、7月初頭には銘柄鶏も店頭に復活することができた。
飼料供給がストップして以降の4月の生鳥体重は最悪の時には通常の半分程度の1.5キロまで下がってしまった。しかしお客様である流通関係者には温かい目で見守っていただき、店頭で説明しなくても消費者の方々には暗黙の了解で購入いただいたこと、誠に感謝の気持ちでいっぱいである。
また、工場稼働日が20日ほど削られてしまったが、休業補償を受けることで社員の皆さんの生活が守られ、会社の負担も軽減された。さらに、岩手県では食鳥検査料を1年間免除するという英断をいただいた。加えて、取引先はもとより食鳥協会会員からも多額の見舞金を頂戴したことにもここで感謝申し上げたい。
そして、震災被害による需給のアンバランスといえばそれまでだが、震災以降の市況が比較的堅調だったことで、震災の被害もいくばくか取り戻しつつあることで、市場価格の仕組みそのものに対しても有難いと実感した。
未曾有の事態を経験した年であるのに、2ヶ月後には通常のサイクルに戻り、いま振り返ると、震災は遠い過去の記憶のようにも思える。同時に、チキン業界はどこにも依存しないで成り立つ気高い業界だという我々業界人の認識がいささか勘違いだったかな、という余韻を残しているのだが。
ところで私も経営者の端くれであるので、震災後に世の中はどう変わっていくかを注視して経営判断をしていかねば、と思って震災を機に、1年以上読んでいなかった新聞をつぶさに読み始めた。津波の被害はもとより原発事故の影響でイメージダウンして、日本の国力は低下するのか。それとも復興需要で景気は持ち直すのか。
しかし、時間が経過するに連れ昨年は欧州通貨危機、それに伴う円高、更に日本経済を打開するためのTPP交渉参加表明があった。
しかし、時間が経過するに連れ昨年は欧州通貨危機、それに伴う円高、更に日本経済を打開するためのTPP交渉参加表明があった。
現時点で「失われた二〇年」と言われているが、世界的には金融工学を駆使して人類は実力以上の豊かな生活を享受してきたわけで、そのツケを払うべき時がやってきたというだけであろう。これまでと同じような繁栄はもう帰ってこないと思うくらいがちょうどよいのではないか。
少子高齢化がますます進む日本。真に効率的で無駄のない社会を追求していく腹を決めなければ立ち行かなくなると思う。食鳥業界はその先頭を走っていくという心意気で新年を迎えたい。
(写真:九戸村「ふるさとの館」の離れ)