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 「ありあまるごちそう」という映画、震災の影響で東京渋谷のイメージフォーラムでの上映が中止となって見れないでいたので、ぜひ見ておきたいと思っておりましたが、4月29日にやっと仙台フォーラムで見ることが出来ました。

 私が見た食産業の裏側を描く映画としては、「いのちの食べかた」「キングコーン」「フード・インク」に次いで4本目です。食産業に従事しているひとだけでも結構なお客さんが集まるのかな。

 食品の安価かつ大量生産による、伝統的な食材の衰退。経済的強者に食品が行き渡り廃棄し、弱者は飢餓に苦しんでいる矛盾した世界。そして経済的競争の中で搾取される労働者。(ちなみにルーマニアの農民などは楽しそうにしていたが、それもこの映画は騙されているっぽい描写だった)

 そういったものに焦点を当てながらも、最後には食品企業として売上世界一であるネスレの社長が出てきて反論をして、それで終わってしまう。うーん、なんと潔い映画だ。しかもさすが売上高8兆円のネスレの社長。短時間で説得力がある!

 「人類にとって自然はついこないだまで怖い存在だった」の一言がすべてを語っているような気がします。今回の震災にも当てはまる人類に警鐘を鳴らす言葉ですね。

 昔はちょっとした自然の異変で、食べ物が得られなかった。それが今やシステマチックな農業や畜産と、貿易の発達で安定的な供給ができるようになってきた。これは素晴らしい進化だが、世の中には「自然は癒されるもの」だというイメージをお持ちの人達(この映画も)がいる、などとネスレの社長は語る。

 少なくとも今や先進国をはじめとする10億人やそこらの人たちは、数百年前の王侯貴族並のサービスと食べ物を享受しているわけで、素晴らしい文明の進歩だと思います。

 依然、飢餓で苦しんでいる国や地域があるわけですが、そういった人々までもが食べたいものを食べたい時に食べられるようにするため、この調子で人類は進化していく必要があると確信しました。1000年先になるかもしれませんが。