
これで渋谷のイメージ・フォーラムに来るのは3回目。どれもが「食品業界の裏側」を描いた作品ですが、これまでに見た「いのちの食べかた」や「キングコーン」と比べるとこの「フード・インク」はかなり視点が偏ってましたね。
大企業や政府に対しては敵対意識丸出しで、遺伝子組換え大豆のパテントを持つモンサントの特許を侵害し、明らかに法律に違反している農家の肩を持つまで至っています。
チキン業界については冒頭に取り上げられておりますが、こんな姿勢では取材拒否されるばかりだったことは想像に固くなく、わずかにT社のある農家は快く取材を受けたが徐々にT社から圧力がかかる様子を、またP社のある農家は既にかなり会社に敵対心を持っており、契約破棄に至るまでを描いておりました。

その農家さんはたった年収18,000ドルみたいに表現しておりましたが、規模が小さいんでしょうね。開放鶏舎から最新式のシステム鶏舎に設備投資しないと契約破棄すると言われたのだそうですが、改めてアメリカはスピーディーだなと思いました。
それから有機農法で飼育している農家さんを後半に取り上げられておりましたが、消毒せずに飲水させることを賛美するところは、現代の疾病対策を優先的に考える業界人にとっては違和感のあるところでしょう。
しかし、食品業界人は工業化された裏側を隠して、昔の自然を彷彿とさせるイメージ戦略を取っていることは、たしかに非難されても仕方ないかなと思いました。その意味で真実を知ろうとするなら「いのちの食べ方」のほうを見てもらいたいのですが‥。