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 昨年、社団法人日本食鳥協会がめでたく50周年を迎え、式典および懇親会が盛大に開催された。喜ばしいことである。

 ちなみに当社も創業者である現会長、十文字健助が事業化に着手して以来50年を迎え、十文字の十にちなんで、10月10日日曜日に感謝祭を開催させていただいた。

 本人から当日は「鶏を飼育してから数えると実は60年」と挨拶のスピーチがあったので、40年後に100周年を開催しようかと密かに考えているが、チキンのもつ高い栄養価のパワーで87歳まで生き永らえたいものである。


 実はこの原稿を書いている11月21日、ドイツに滞在している。

 チャンキー協会のミッションでEurotierの視察に来ているのだが、近くに来たついでに車好きが高じて、週末、フォルクスワーゲン、メルセデス、アウディ、BMW、ポルシェなどの博物館を見て回る機会に恵まれた。

 1886年、ベンツ博士の1馬力に満たない内燃機関付きの最高時速16キロの乗り物からスタートした自動車業界。

 ドイツでは人気に火がつかず、しばらくしてフランスでヒット。これまでにない商品を普及させるための初期の悪戦苦闘は数知れず。

 やっと起動に乗っても第2次世界大戦や業績不振などをくぐり抜けて、それぞれのブランドが生き残っていることが改めてわかった。

 ヨーロッパの自動車メーカーは小規模なブランドのストーリーを価値として認めることで、経営的には大手企業に統合になってもブランド名は残っている。

 やっぱり自動車業界は人があちこちに転職しようが、歴史が企業にとっての価値なんだな、と改めて思った。

翻ってチキン業界。創業期の困難はさておき、当業界の技術革新は、経営母体というよりも育種改良やシステム開発といった周辺で行われるので、あまり華々しいストーリーは出来にくいのだが、それぞれの企業で一つや二つ語り継ぐべき当時のエポックメイキングな出来事があったはずである。

 そういうものを大事にして、企業のブランドを創り上げていかなければならないと改めて思う。

 なにしろ海外からは安くてそこそこ良いものはこれまで以上に入って来やすくなる傾向は止められないのだから。


 50年間ずっと効率最優先でやってきたチキン業界では、困難の度に洗練され、経営上「遊び」に当たるものが徐々に減ってきているように思う。

 筋肉質で基礎体力が強くなっているとも言えるのだが、これからの人口減少、低成長の時代、それだけでは語るべきものがないつまらない時間を重ねるだけになりはしないか。


 今も歴史を創っているという気構えを持ち、適度に遊びを交え、イキイキと仕事が出来る環境づくりを改めて作りたいと試行錯誤が見て取れるクラシックカーの数々を見て思った。

(鶏鳴新聞2011年新年号に寄稿した文章です)