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 でっかく赤い文字で「抗生物質を与えず育てています。」と書かれた名刺を当社の社員は持って配っています。

 その派手な名刺自体へ驚かれる方が多いのですが、「これってどういう意味?」と正確に当社の業務内容を知りたいと思われる方も結構おります。

 半年ほど前から、その回答をパンフレットにまとめるプロジェクトが発足しまして、このたびやっと完成しました。俗に言う、企業コンセプトブックにこれは当たると思います。

 その序文に書いた社長としての文章をここに転載します。


抗生物質を与えず若鶏を育てる。それは、業界にとってタブーとされてきたことでした。

 

家畜として群で飼育し、病気を招かずに、ちゃんとした体重で出荷するには、抗生物質は必須のものであると業界人は長い間信じてきたわけで、何もその危険を冒してまで抗生物質を抜いて飼育することも無いと言われれば、それまでだったのかも知れません。

 

しかし、野菜などの農薬問題が脚光を浴び、消費者は「畜産も薬剤に頼りっきりで不健康な飼育をしているのではないか?」「そういう過程で出来上がった肉は安くても安全ではないのではないか?」という疑問を持ち始めました。

 

更に、耐性菌の問題が脚光を浴び、畜産に使える抗生物質の種類もどんどん制限されていきました。やがて国内でも抗生物質を使わずに育てる比較的規模の小さい業者が出てきました。その後、雛の育種改良やワクチンなどの開発で、そう難しいものではなくなりました。

 

そうです、当社がいち早く取り組んだというわけではありません。しかし当社は全国でも有数の生産量を誇る若鶏肉のインテグレーターです。その当社が大きな量で取り組むから大きな意義があるものと自負しております。

 

「より多くの消費者に、より安心して、より美味しく若鶏肉を食べて頂きたい」

 

その一心で、挑戦が始まった我々の物語をこの冊子にまとめましたので、ご覧頂きたいと思います。