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 以前、このチキン業界(食鳥業界)はかなり特殊だと思っていた時期がありました。

 一般的に会社というものは、お客様に喜んでもらって、お客様を増やしてナンボなのですが、この業界は常にフル生産が当たり前で、喜んでもらってもすぐに生産量が増えるわけではなく、何年か掛けて農場を増やすなどの設備投資をしてやっと増産ができるわけで、かなり特殊だと。

 それから、川上である産地側はお客様に頭を下げなくても良い傾向があります。戦後生まれの新しい産業ですし、需給のバランスが高度成長の時期、供給側の論理で支配されていたと言うこともあるでしょう。それから生きた鳥を飼育するという苦労をしてやっと作り上げた商品という畏敬の念が流通側にあるのかもしれません。

 だからかなり特殊で、世の中の経営の論理だとかを当てはめるのには無理がある、と思いこんでいました。

 しかし、何年か前に、それが自分があれこれ出来ないことの言い訳であることに気がつきました。言い訳のための論理でしかなかったのです。

 盛和塾で稲盛和夫塾長に何度も「原理原則で経営しなさい」と言われていたのに、その言葉を理解できないでいた自分がいたんですね。

 チキン業界は奥が深いです。卵のように産んだらすぐ商品のようには行きません。まだまだ未完成な業界。だから改善の余地が沢山ある。だから面白い!

(写真:工場では白衣に着替えてから、ローラーを掛けて髪の毛などを取り除きます)