「日本の食は安すぎる」に続いての山本謙治さんの著書「激安食品の落とし穴」を北欧視察の最中に読みました。それも、価格についての某ベストセラーを読んだあとです。
デンマーク、ノルウエーと行ってみたのですが、世界に冠たる高賃金国ということで、工場視察で賃金を聞いて驚き、また量販店の鶏肉売場に行ってまた驚きの繰り返し。皮なしむね肉なんて2000円/kg、フリーレンジ(放し飼い)ならその倍ですからね。
むね肉の人気が日本と全然違うからというのもあるのでしょうけど、工場を視察して量販店を拝見してみるとみるとやっぱりやまけんさんが指摘するように、日本と違って価格志向がそんなに無いような気がします。
これら高福祉の国は労働時間も少なめ、国民の幸福度も高いわけで、どうして日本はこんなに頑張って残業して、食品でも安いものを目指すのかはやっぱり社会システムの違いが大きいような気がします。
仕事上はもっと効率重視、余暇に時間とお金を遣う習慣に切り替えていかなければ、やまけんさんの言う「エシカル」のムーブメントは大きくならないのでは。日本人は仕事でかっこつけが多くないですか?
ところで、この本の中で、学生による地鶏と若鶏の比較試食で圧倒的に若鶏の評価が高かった例が紹介されています。
チキン業界人としては、若鶏は単純に安いから価値がそれなりなんだという整理の仕方で見て欲しくない気持ちもありますね(笑)。
でもやまけんさんがこの本の中でいくつも例を出して解説しているように、安いなと感じている食品にはそれなりの背景があるのでは‥と想像してみる習慣をつけて頂ければ幸いです。