北は北海道から南は鹿児島まで、皆様遠路岡山までおいでいただきありがとうございます。温暖化の影響か、この春、各地で強風に見まわれ被害に合われた方もいらっしゃるかと思います。お見舞い申し上げます。各社さんとも鳥インフルエンザの厳戒体制は解かれておりますでしょうが、5月に入ってからも台湾でH5N2の高病原性鳥インフルエンザが発生しておりますので、海外渡航には十分お気をつけ下さい。
さて、4月の技術部会の私の挨拶で、農場長に5年ごとに更新される国家資格をと提唱しましたところ、各方面から少しだけ反響を頂いております。監督官庁である農林水産省にしてみると、食鳥業界だけ先にというのは考えにくいとは思いますが、生産側自らがこんなことを言い出し、実現に向かって進むことになれば、消費者はどう思うでしょうか?
大歓迎されると思います。鳥インフルエンザだ、口蹄疫だ、BSEだと昨今、畜産の病気に関する話題がここ10年異常に多くなり、食の安全に対する関心が高まっているだけに、畜産団体が積極的に上のレベルを目指して取り組んでいることが分かれば、ますます国産に対する信頼性が増します。
いや、信頼性が増すだけでなく、実際畜産業のレベルが高くなります。そして社会的な地位が高まることで、業界全体でも採用面でも改善されるのではないでしょうか。
ところで昨今、脱サラして農業でもやってみようかとか、畜産でもやってみようかと思われる方は多いようです。しかし逆に農業、畜産ともに成功できる確率を考えると、逆に一般的なサラリーマンをしているより敷居が高いはずです。
ちなみに、たくさんの人間を扱う医者は非常に高い知識を必要とします。獣医はそと同等の知識が必要になっています。医者には看護士というサポート役がおり、国家試験です。少なくとも現代の畜産に従事する仕事をしている方は、飼育羽数、飼育頭数から考え、病気が発生した時の社会的な影響を考えると、少なくとも看護士以上の知識・技能が必要ではないでしょうか。
私は先日、産業廃棄物取り扱いの資格を5年ぶりに更新しました。産廃を不法に取り扱うと社会的に非常に影響が大きいわけで、その抑止力という点からも国家資格があるのでしょう。その仕組になるほどと思いましたし、ならば畜産業にも同様の資格があってしかるべきだと思います。
それからもうひとつ問題提起したいことがあります。カリフォルニア州で、採卵養鶏のケージ飼いを禁止する法案が通ったというニュースがあったのは数年前だったでしょうか。カリフォルニア州で禁止になっても、他州から流入する卵はケージ飼いでない卵が入ってくる。なんともおかしな話なんだろうと思いましたが、日本でも似たような話になっているのです。
抗生物質残留が心配無いように飼料安全法では7日間の休薬期間が定められており国内の我々はそれを厳守しているわけですが、輸入チキンはまったくそれが当てはまっていないようです。EUでは輸入国にあたるタイにはEUの飼育ルールをそのまま当てはめるのだそうですが、日本はまったくそういうことにはなっていないようです。入った時点で問題なければ問題なし、という見識なのでしょうが、スタート地点は同じにしてもらいたいものです。
また、業者さんから聴いたところによりますと、飼料添加物の許認可は、欧米にかなり遅れているとのこと。
人用の医薬品でもそうですが、効果とともに副作用などの害が軽減する方向にも改善される傾向にありますので、いつも5年や10年古いものを使わなければならない現状では、ハンディが有り過ぎます。是非、スピーディーな対応を監督官庁にはお願いしたいと思います。
最後になりますが、日本チャンキー協会はこのたび40周年を迎えたとのこと。素晴らしい商品とサポート体制があってこそであります。供給して下さっているエビアジェンさん、株式会社日本チャンキーに感謝申し上げ、冒頭の挨拶とします。
(写真:懇親会にて)